RevisionDeleteについて
Wikipedia日本語版の井戸端でAotakeさんの指摘を受けて話を切り出す形となりますが、秘匿と削除の区別があいまいなので訳語の整理をしたほうがいいと思います。
機能の名称を整理するか、ユーザーグループoversightの名称をどうにかするか、MediaWikiのマニュアルなども合わせた表現の統一や特別ページの名前と言う問題も含めて何らかの対応が必要だと思います。ちなみに過去の訳語統一問題としては、extensionの訳語を「拡張機能」に決定しMediaWikiのマニュアルにあった「エクステンション」と言う表記を全て「拡張機能」に変更したケースがあります。
今回の提案の趣旨をまとめると以下のようになります。
1.特定版削除という訳語を変えるか否か。
- 訳語を特定版削除とし、Wikimediaウィキ側での名称変更で対応する
- 特定版削除とは別の語を当てる
2.「秘匿」か「削除」か。
- 管理者の機能を「削除」の一種とする名称に変更し、oversightの機能を「秘匿」とする
- 管理者の機能を「秘匿」の機能として、oversightに別の訳語を当てる
- 管理者もoversightも「秘匿」の機能であるとする
3.次にoversightの訳語を変える場合。
- オーバーサイトと呼ぶ
- 英語だと「監督」という意味なので、管理者よりも上位の秘匿権限といったニュアンスの表現に変更する
- 全く新しい訳語を考える
皆様の意見をお聞かせください。
ちなみに私個人の意見としては、一つ目が表現を分ける、二つ目が両方秘匿と呼ぶ、三つ目がオーバーサイトです。
- 表現を分ける
- 英語がselective deletionを「特定版削除」と訳しているためrevision deletionには別の訳語を当てたほうが良いのではないでしょうか。
- 両方秘匿
- mw:RevisionDeleteはこの機能が不可視化する機能であると述べているため、秘匿という表現を禁じるべきではないと思います。
- 元の言葉がrevision deletionなので「削除」というニュアンスの表現を一切使わないのではなく、機能としては「削除」の一種であり、「秘匿」という効果が得られるものだと捉えるのはどうだろうかと考えました。
- Revision deletionに何か新しい名称を当てつつ、秘匿という呼称も使う提案です。今のところ訳語としてWikipedia日本語版では「修正削除」と言うものが挙がっています(参考)。他に私が思いついたものは「履歴削除」とか「拡張削除」あたりです…。
- オーバーサイト
- bureaucratをビューロクラットと呼んでいるからoversightもオーバーサイトで良いのではないでしょうか。秘匿者は体を表せているのかもしれませんが、元の意味が監督といったニュアンスであることを考えると微妙だし、監督のニュアンスに近い日本語を当てるのも難しい気がします。いい訳語があれば訳語を当てたほうがいいとは思うのですが。
- revision deletionの訳
- revision deletionを原文を尊重して翻訳すれば「版の削除」なので、漢字化すればやっぱり「特定版削除」が一番合いそうです。本来これが使えるにこしたことはないように思います。
- また、私も誤解してたのですが、MediaWikiコアおよびその拡張機能その他において"selective deletion"という単語は存在しないようですね(マニュアルにあるかなと思ってました。「特定版削除」は、ウィキペディア(他のウィキメディア・ウィキも?)ではselective deletionの訳になっているようなので、そことは競合しますが、逆に言えば、ウィキペディア以外では特に問題にならないように思います。
- 漢字化の際に参考になるであろうzhをみると、「删除或恢复版本」になってますね。「删除」が削除、「恢复」が復帰(回復)、「版本」が版ですから、zhは普通に「版の削除と復帰」のようにしているようです(特定版削除がどうなってるかは知りません)。
- 「秘匿」か「削除」か
- revdelの訳もそうですが、原文を重視するならhideとなっていれば「秘匿」、deleteとなっていれば「削除」としておくのが無難だと思います。開発側がなんでこんな混同した名前をつけたのか分かりませんが、「ローカライズするだけ」という立場からすると、両者を混ぜないようしておくべき、という立場もあります。
- oversight
- oversightが「秘匿者」になっているのは機能を訳しているところから来ていますが、おっしゃるように、意味としては「監督」、つまりsupervisionに近いところだと思います。
- ただし、権限名がカタカナなのは、現在のところbureaucratのみで、少数派となっており、それに合わせるのは少し不自然な気がします。全て同時に「どうするか」について一度考えてみる必要がありそうです。
ざっと、とりあえずこんなところで。
部外者なので恐れ多いのですが…。「オーバーサイト」などといっても、普通の日本人(=ネイティヴの日本語話者)の100人中99人が理解できません。これを理解するためには、オーバーサイト -->oversight ---> 辞典で調べる という過程が必要で、そういう作業を厭わない人が30~40人いるかいないか。それ以外の60人は蚊帳の外ですから、まあ凡そ劣悪な用語だと思います。英和辞典を見て適切な言葉が見つからず、自信がないから「オーバーサイト」は、ちょっとね。
oversight が人を表すものか、行為を表すのか、背景を知らないので分かりませんが、もし人なら、閲覧管理者、行為なら閲覧管理はどうだろう。安全保障上の理由で開示できない文書とか、希少本で一般には見せられないというような意味で、これならまあ一般の人にもピンときます。(くどくど書きたくないですが、明治の人は freedom に自由という漢語を宛てて、中国にも逆輸出して訳語として定着させました。決して「フリーダム」などとはしなかった。システム管理に携わる諸氏もそういう気概を持って頂きたいものです。--トトト 03:13, 27 May 2010 (UTC)
発議ありがとうございます。私は原文になるべく忠実に、「版削除」かそれに類する訳語がいいと思います。理由は、今後の機能開発の展開がわからない状態で、現在の機能に注目した訳は後で機能とずれが生じる可能性があること、拡張機能を導入しようとするウィキ管理者の視点からみれば、「秘匿機能」というのが英語の revision deletion と同じものであるということが直感的には伝わらないであろうことです。
oversight も同様の理由で「監督」に類する語がいいと思います。
以下はトトトさんへ。私自身は漢字および和語をなるべく使った訳を心がけたいと考えていますが、ここ translatewiki.net で例えばウォッチを監視に変えたり、オプションを個人設定に変えたり、Nを「新」に変えたりするたびに、それはそれで批判を受けてきました。いろんな考えの方がいらっしゃるなかで、ここでの翻訳者に求められるのは、「気概」よりもなるべく多くの利用者が納得できる妥協点を見いだすことだと考えます。
素直に「版削除」というのはよさそうですね。 あるいは「版の削除」と「の」を入れておくのもよさそうです(こっちの方がわかりやすいかなと個人的には思います。
で、oversightとbureaucrat、あるいは権限名全体も含めて、いったん全部、方針とか方向性とか決めといた方が良さそうだなというようには思います。 この辺り話がずれる&時間かかると思うので、別スレッドで。
こんちは。
「delete」は「hide」「suppress」など類似の操作についての用語と、その内容や程度比較によって、全体を見ながら決定することになるのだと思います。おそらく「delete」には「管理者が見ることができるが一般には非公開」という意味で共通する要素がありそうなので、これまでの慣習から「削除」で統一するのが良いと思います。「hide」「suppress」に対しては、たとえば遮蔽、隠避、消去、抹消、退蔵、被覆、遮蔽、隔離などから選ぶ。「秘匿」は、これらの操作の一つに割り当てるでもいいですし、一般の閲覧者には見えないようにする操作全体を指すものとしてもいいと思いますが、何を指すかというのを確定させてもらえると助かります。「除去」は、jawpでは最新版で閲覧できないようにする操作に対して用いるので、避けていただければ幸いです。
revisionは本来「版」にあたるのですが、revdelの操作は、版に対して行うのではなく、版に含まれる要素を個々に削除することを可能にしています。ウィキペディアでの慣れもありますが、日本語の語感としては、「(特定)版(の)削除」が、投稿者名のみの削除を含むと言うのは、直感的には得られないと思います。「版毎削除」だと、個人的な感覚だとちょっとまし。「個別削除」などはいかがでしょうか。
oversightは、「見渡す」みたいな意味が転じて「監督」という意味になったんじゃないかと思うのですが、監でも「みる」の意はあるのでしょうけれど、「閲覧」とか「公開」とかいう語と組み合わせるのがよいと思いました。難しければ「オーバーサイト」でもいいです。
長い年月(年はない)が経って、twnの日本語翻訳者コミュニティもすっかり様変わりしてしまいました(c.f. 最近の翻訳)。
さて、そんなわけで、この話題なんですが、oversightに関しては、私はまだ何がいいかよく分からないので触っていませんが、revdelについては「版指定削除」で統一してあります。
2010年以前に活動し、oversightを「秘匿者」に訳したFievarstyと申します。この議論は2010年以降更新されてないのでどういう状況か分かりませんが、今考えればグループ権限名「秘匿者」の訳は「利用者(権限保持者)が秘匿されている」という意味に取れてあまり適切ではなかったかもしれません。oversight拡張機能は現在廃止されているので、この議論当時とは話題が変わるかもしれませんが、よろしれば翻訳した責任として暫定で原文カタカナ表記の「オーバーサイト」にしておこうかと思います。個人的には秘匿に関する権限のことを指すので「秘匿系権限保持者」の方がしっくり来ると思いますが、長いですね。MediaWikiを運用していて気づいたことなので一応コメント。